東京に住んでいた頃、下北沢の薬品問屋にバイトに行ったことが有る。ちょうど街と住宅街の境界にその会社はあって、それを分ける昔は川だったろう場所が公園になっていた。
バイトの昼休みはその公園にバイト仲間と行って弁当を食べるのが習慣だった。で、この公園、ねこが多い。弁当を食べてるとにゃーん、にゃーんと食べ物を催促に来る。7匹まで確認した。
うるさいので、というか、最初に遭った若い三毛ねこに惚れてしまったので、弁当は毎食鶏の唐揚げ弁当で、唐揚げだけねこにあげていた。結局、僕が食べるのは野菜弁当になった。
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ねこは最初は警戒して、貰っても茂みに入って食べていたが、いつしか目の前で食べるようになり、腹を見せてごろ寝するようになった。もっとも、距離を空けていたが。
バイトはあんまり良い物じゃなかった。午前中はプレス機で空き段ボールをぺったんこにして、午後は薬品の出荷。人間嫌いなので、休憩時間奥に引っ込んでいると、サボっているものと見なされて、嫌われた。
そんな中、心を和ませてくれたのがねことバイト仲間だった。3ヶ月だけだったけど、まだ憶えている。
バイトの最終日、僕は弁当屋とは別に総菜屋に寄って、鶏の唐揚げを2個買った。まだ温かい揚げたての唐揚げをねこに上げると、にゃお? と不思議そうに食べていた。
それ以来、下北沢には行ってない。
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