そんなに金が欲しいのか

　以前、大手町で働いていたことがある。東京駅の近くだ。日曜日に休日出勤をして、昼休みに食事に出た。日曜の大手町は人が居なくて、店が開いてない。食事をするには神田か東京駅の中しかない。


  そうしたら路上で６０代くらいの男に呼び止められ、訛りのキツイ方言でなにやら話し掛けられた。良く分からなかったので、もう一度要点を話して欲しいと言ったら、これから栃木に面接に行かなければならないので、バス代を貸して欲しいということだった。


　はぁ？　寸借詐欺だっ！！　金を持ってないと断った。


　だって、日曜日に面接するか？
　交通トラブルもないのに、東京駅から栃木までバスで行くか？　電車だろ。
　面接行くのになんでだらしない私服なんだよ。
　なんで手ぶらなんだよ。履歴書はどうした？
　大体、なんでこんな時間に誰も居ない大手町に居る。


　どうやら、五千円から一万円ふんだくろうと思っていたようだが、残念だったな。神田に向かった僕の背後で何か叫んで居たようだが、無視した。


　世の中には頭の良い詐欺師と、頭の悪い詐欺師が居て、後者だと思われるが、この日の首尾はどれくらいだったのだろう。観光施設とか無い休日の大手町を歩いている人で、こんな杜撰な詐欺に引っかかる人がどれだけいるのか。大体、ストーリーが欲のかきすぎだ。


　人の善意を利用して儲けようとする人はなんか頭がおかしい。アグネス・チャン代表の「日本ユニセフ」を挙げるまでも無く。この手の最悪なのが宗教に偽装している団体。もっともらしい事を言いながら「金」、「金」。

　金を出さないとその団体では評価されないなんておかしいと思わないのだろうか。そんな団体、いっぱい有りすぎて特定して攻撃するのも面倒だ。釈迦やキリストは無一文で布教したというのに。


　若者の○○離れとか言われて久しいけど、無欲でいいと思うのは僕だけだろうか。貪欲は環境というか周囲を破壊するように思う。人を引きずり回し、悪を溜め込み、やがては自らを喰らい尽くす。

　僕はこういう人が自滅するのを割と見てきました。