怪しい人々

　今は知らんが１０年以上前の東京の街には胡散臭い人々がカモを探してうろついていた。

　アメ横の歩行者天国では「あの～手相の勉強をしているんですが…」という若者が近づいてきたが、統一協会の手先と知ってたので無視。悪いこと言って「先生」のところに連れて行くのだという。こいつにはしつこくつきまとわれた。

　新宿南口では映画の優待券を売りつける連中がいる。特定の映画館でしか使えなかったり期限が短かったりで使えない券らしい。勘が胡散臭いぞこいつと言ってきたので、これも適当に相手して放置。

　新宿西口では出会い頭、いきなり女の子から「お茶して下さい、お茶して下さい！！」と叫ばれた。反射的に（だって「はぁ？」と思うでしょフツー）「絶対嫌！」と叫び返したら、なんか横に居た男と共に引いていった。ナンパじゃなくて宗教勧誘みたいなもんだと思ったけど、あれはなんだったのだろう。

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　同じく新宿西口や秋葉原では画廊があって人を入れようと必死になってる。絵は嫌いじゃないのでうっかり入りそうになったが何か勘がやめとけと忠告したので入らなかった。後でTVで絵を売りつける悪徳商法だと教えられ冷や汗。ラッセンの絵は嫌いなので相手しませんでした。

　部屋にいるとピンポン～とチャイムが。「こんにちわー、消防署の方から来ました」。僕がドア越しに「はぁ？　あなた消防署の人？」って聞いたら即座に消えた。「方から来た」という言い方がミソの消火器販売人だったようだ。

　世間には善悪の観念が壊れてる人が結構居るようだ。ニュースの３面記事は決して他人事ではない。っていうか、僕もたまに引っかかってる。

　って言うかね、人を騙して金を取ろうとする人間が多すぎる。こんな手法つかっても、どんなにがんばっても大金持ちには成れないよ。せいぜい小金持ちくらいだ。大金持ちになるには正々堂々と商売して初めてなるのだから。

　金にピーピーしているのは後ろめたいことをしているからと言うのがわからないのかな。

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