対人恐怖症は治る

　10代の頃に対人恐怖症という神経症を発症しました。

　まず最初にやったのが武道を習うこと。時間の無駄でした。部活で入ったのですが、みんな脳筋で勝つことしか考えてない。合気道なら違ったかもしれません。でも合気道部なんてなかったので。なんでお前は弱いのかと責め立てられ、神経症が酷くなり、学校を退学することで退部しようとしました。幸い、学校は続けられ退部できました。え、強くなったかって？　冗談でしょ。心というエンジンがなければ、技なんて無意味です。

　次にカウンセリングを受けました。2週間に一度、8千円払って一時間話をするんですけど、僕は無口なので話すことが無い。大学から来ている先生から話しなさいと言われて、無理ですといって辞めました。河合隼雄さんの本を読んで、何年もカウンセリングして治るか治らないかとか、知りました。非指示療法全盛期の時代でした。これ、患者がアクションおこさないとどうしようも無いという欠点があるんですよ。

　で、結局は神経科の門を叩いて、抗不安剤を処方してもらいました。これ、保険効いて安く済みます。薬はレキソタンを。

　でもね、十数年経つうちに神経症が治っているような気がするんですよ。今でも薬飲んでますが。先日、減薬を申し出たら、薬が効いているから良いんですよとか言われましたが。いつの間にか、初対面の人と会話するようになりましたし、会話のバリエーションも増えて、なごやかに商談とかできるようになりました。仕事でも結構、高い評価を得るようになりました。

　実は、昔から結構モテます。神経症の人は美形の人が多いらしく、視線に晒されやすいとか。それが年とって容色が衰えてきて、普通の人並みになる。人間関係も敏感なので仕事は続かないかもしれませんが、悪くは無い。

　禅やテーラワーダ仏教の教えを学ぶにつれ、くよくよ考えることが無くなってきました。昔は身を切られるような感触の中生きてきたけど、今は割と幸せです。失った物が結構あっても、満足していられます。